2004年度の研究テーマ

  1. コンサートホール音場の空間印象に関する研究

    コンサートホールの音場は,音の大きさ,明瞭性,響き,空間印象で評価できる。前の3項目に関しては音場の物理量との関連が解明され音響設計に用いられる音響指標も確立されているが,空間印象はまだ未解明である。これまでの研究から,空間印象は少なくともASWとLEVの2種類が存在し,後者はインパルス応答の後期音と関連があることが認められている。本研究は,後期音の方向分布と音場のLEVの関係を解明し,好ましい空間印象のコンサートホール設計基準を提示しようとするものである。この研究では,コンサートホールの模擬音場を用いた音響心理実験が主体となる。
    Keywords:残響音, 方向性, 音響心理実験, 空間印象

  2. 建物の影響を考慮した沿道の道路交通騒音予測法

    沿道の騒音対策を検討するためには,沿道に立地する建物群による道路交通騒音減衰量の予測が必要である。藤本研究室では,これまでに平面道路の場合の予測法F-2002を提案しており,昨年度からは盛土道路など,道路と沿道の高さが異なる場合に研究を発展させようとしている。この研究では,音響模型実験やコンピュータ・シミュレーションが中心になる。
    Keywords:音響模型実験, 騒音の伝搬, 騒音予測

  3. 騒音に強い街並みの設計手法に関する研究

    本研究は,沿道に立地する建物群を自動車騒音に対する緩衝建物と考えて,その背後地の騒音を低減するためには緩衝建物群をどのように配置すべきか(建物の大きさや隣棟間隔など)の指針「騒音に強い街並みの設計指針」を提示することを目的としている。必要騒音低減量から建物群の配置を決定することはできないので,ASJ Modelや藤本らの予測式(2.の研究成果)を用いて沿道に建物群を配置したときの背後地における騒音減衰効果をシミュレーションし,遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて最適解を探索するという手法を用いる。この研究では,騒音予測のコンピュータ・シミュレーションと模型実験が中心となる。
    Keywords:騒音予測, 建物配置, コンピュータ・シミュレーション

  4. 建物開口部用アクティブ騒音制御型ルーバーに関する研究

    我が国では,市街地に近接して主要幹線道路が設置されることが多く,道路に面して立地する住宅では道路交通騒音の遮断が必須である。建物開口部(窓)の騒音対策は,防音型サッシや二重窓などの音響的にパッシブな手法が一般的であるが,このような窓の場合,道路からの騒音を遮断するために常に閉じておかなければならない。しかし,窓を閉じれば通風や換気が行われず,開放感も乏しい。本研究では,アクティブノイズコントロール技術を応用して,窓から侵入する騒音をアクティブに制御することで,開放して採光や通風を損なうことなく騒音の侵入を防ぐ窓を開発することを目的とする。この研究では,音響信号のデジタル処理手法の開発や音響模型実験が主体となる。
    Keywords:アクティブノイズコントロール, 信号処理

  5. ポリウールの建築用吸音材料への応用に関する研究

    当研究室は,建築用吸音材料に適するよう繊維構成に工夫したポリエステル不織布,ポリウール(PW)を開発した。PWは,吸音性能は,建築用吸音材料として現在最も多く使用されているグラスウール(GW)と同程度であるが,エコロジー,リサイクルの面でGWより優れた素材であり,GWに代わる次世代の吸音材料として期待できる。本研究は,PWをより広範囲の建築用吸音材料に応用する方法を提示することを目的とする。この研究では,PWの吸音特性の理論解析と測定が主体となる。
    Keywords:吸音率, ポリエステル不織布, ポリウール, 吸音材料


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