建物の外周部に設置される開口部(窓や換気口)は遮音性能のボトルネックになりやすい。特に換気口は空気の流入出のために孔を開けておくことが本来の目的であり,これは騒音防止の基本である孔を塞ぐことと相反する。そこで本研究では,通風を損なうことなく騒音の侵入を防ぐことができる換気口を提供することを目的に,アクティブ騒音制御技術を用いた遮音システムの開発を行う。この研究では,音響信号のデジタル処理手法の開発や音響模型実験が中心となる。
Keywords:アクティブノイズコントロール, デジタル信号処理, 音響模型実験
当研究室は,F社との共同研究により,ポリエステル不織布を用いた建築用吸音材(PW)を開発した。現在,PWの製造・加工過程でおよそ20%の端材が発生し,それは産業廃棄物となっている。そこでF社は,廃棄物削減と資源の有効利用のためにPW端材をリサイクルする独自の技術を開発した。PWリサイクル材(RPW)は元のPWと繊維特性が異なるため吸音特性も異なる。本研究では,RPWの吸音特性を解析し,建築用吸音材へ応用可能な吸音性能を有するRPWを開発することを目的とする。この研究では,PWの吸音特性の理論解析と吸音率測定が中心となる。
Keywords:吸音材料, リサイクル, ポリエステル不織布
本研究は,国や地方自治体等が行う環境騒音低減のための施策を支援するGISシステムの構築を目的とする。そのために,都市域における騒音の予測・評価・対策について検討・支援するための必要要件を把握し,それをGIS上で実現するためのシステム構築を行う。この研究では,GISシステムの仕様の整備とGISを用いた騒音予測シミュレーションが中心となる。
Keywords:騒音対策, GIS, コンピュータ・シミュレーション
沿道の騒音対策を検討するためには,沿道に立地する建物群による道路交通騒音減衰量の予測が必要である。当研究室では,これまでに平面道路の場合の予測法F2002を,さらに昨年度,予測精度を向上させた新しい予測法F2006を提案してきた。本研究では,予測対象を盛土道路など道路と沿道の高さが異なる場合に拡張することを目的とする。この研究では,音響模型実験やコンピュータ・シミュレーションが中心となる。
Keywords:騒音予測, 騒音の伝搬, 音響模型実験, コンピュータ・シミュレーション
コンサートホール客席の音響設計法は概ね確立されているが,ステージの音響設計法はない。ステージでは,楽器演奏者や声楽家が,他の演奏者や声楽家の出す音を聞きながら,それに合わせて自ら発生する音をコントロールできる音場が必要とされる。本研究では,演奏者の立場からみたステージ音響のあり方に関する基礎的知見を得ることを目的とする。この研究では,実験室内のステージ模擬音場を用いた楽器演奏者による被験者実験が中心となる。
Keywords:ステージ音響, 音響心理実験
当研究室では,これまで一連の音響心理実験から,コンサートホール音場の良否を決める要因の一つである「空間印象LEV」はC80と方向別後期音エネルギー率で説明できることを明らかにしてきた。この知見を実際の音響設計に用いるためには,C80と方向別後期音エネルギー率の予測を行わなければならない。そこで本研究は方向別後期音エネルギー率の予測法について研究する。この研究では,コンサートホール音場の音響シミュレーション,実音場の実測,模型実験が中心となる。
Keywords:後期音, 方向性, コンピュータ・シミュレーション, 音響模型実験